デスノート

2008年2月28日 (木)

月君

228lignt 、お誕生日おめでとう!!

この日記では初のお祝いになりますね。去年の今頃はちょっとテニスメインだったので、月君のお誕生日はお祝いしてなかったんですよ・・・。今考えれば少し勿体無いことをしてしまったな・・・と思います。

というわけで、今年は盛大にやっちゃいました!!いえ・・・盛大にやった結果が、なんとも淋しい絵で申し訳無い感じが凄くあるんですが・・・↓↓侑士くんと違い、他のキャラはどれだけ大好きでも、ブームの時期じゃないとお祝いをやらなさそうなので・・・。

丁度タイミング良く、今はデスノートブームなので、後悔しないようにしっかりと月君のお祝いをしておきます!!もう、どうしようもないくらい月君が大好きです。本当は今日、ウザイくらいに月君について語りたかったのですが、あまり調子が良くないので今度書きたいと思います・・・!!もしかしたら、こっそり今日のトコロに付け足すかもしれません・・・。

あと、盛大にお祝いしたかったので、お話も2つ用意しました。そのまま載せるのは少し勇気が要ったので、カテゴリーの「デスノート」に、去年の日付でしまっておきます。

読切感想の1つ下の物は、火口が捕まった時、Lが月君からノートを奪って、月君にデスノートの記憶が完全に戻らなかったという設定のお話です。ついでの話ですが、それによって火口は死んでません。勿論Lも死にません。

その結果としてのお話っていう感じになってます。相当私が夢をみてます。Lと月君が仲良しです。とにかくLと月君が幸せであってほしい!!という一心で書いた物です。内容はいつもの様にアホですので、気をつけて下さい・・・。

一方読切感想の2つ下の物は、Lも月君も死んでしまった後のお誕生日という設定です。こちらもLと月君が仲良しです。もう、本当に2人が幸せなら良い!!それだけで私は幸せだ!!という感じです。こちらも言うまでもなくアホです・・・。

ではでは・・・

月君、大好き!!生まれてきてくれて本当にありがとう!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年2月24日 (日)

デスノ読切感想

今回は買ってから2週間も放置してしまったデスノートの読切感想です!!やっと書ける・・・!!勿論私の主観です。私は神信者です。とは言っても、Lもニアも大好きですが(*^_^*)それを踏まえたうえで、大丈夫な方のみどうぞ・・・!!

まず、カラーイラストのニア。「相変わらず白くて可愛い!」って言いかけて、衝撃が走りました・・・。「何か、大人びてない?!」それもその筈、中を見て知りました。表紙のニアは22歳なんですね。神が死んで3年ですから・・・。そりゃ髪の毛も伸びますよね。前よりもクセが緩やかになった感じですね。

カラーページを2枚めくって現れたのは・・・何と、神っ!!!それはそれは、しっかり神(キラ)スマイルで・・・!!ご馳走様です。画面下半分は見ると辛いのであんまり見ない方向で・・・。でも、反則ですよね。極悪非道な顔でも美しい。亡くなっても美しい。なんつー2人だ。

更にページをめくって呆然。「あ、そういう事か」と悟りました。でも、真剣に見つめました。いや、流石に死に顔すら美しいとは言えない顔だけども・・・。でも好きなんだ。私、神が大好きなんだ。

神の爪がボロボロで泣きそうになりました。本当に身体を張っていたんだなって思いました。長い間本当にお疲れ様!!

今回のキラさんは月君や照とは全く違って、几帳面ではない人でしたね。ノートの線から字が出てる・・・。今まで月君や照のキッチリ揃った綺麗な字を見ていたので凄く変な感じがしました。

キラ捜査本部の皆はとても懐かしかったです。相沢さん、出世されましたね。初期よりもずっとカッコ良いです。松田さんも相変わらずで可愛い人です。月君のことまだ好きでいてくれてると良いな。最終話にいた山本さんも出てきたので少し感動しました。きっと相沢さんチームの一員なんでしょうね。(何?それ・・・)

そして遂に、タロットタワー&ニア(正面)の登場です!!多分神が死んでSPKは解散したと思うのですが、ニアの所にまたリドナーやレスター指揮官が来てくれて嬉しいです。それまではバラバラに仕事をしてたのに、ニアに会いに行く時間を示し合わせてたら可愛いな~とか、余計な妄想をしてしまいます。

ここでの3人の掛け合いは神ファンとしては見逃せませんね。まさかニアが・・・そんな事を言うと思っていなかったので・・・。憧れのLを殺した憎い敵として・大量殺人犯として・ただ事件解決のために、ニアは神と戦った。どれをとっても正解なようで、どれをとっても不正解のような・・・ニアにはそんな雰囲気を私は感じたんです。

「Lの敵討ち」というだけだったら、幾分か解りやすいのですが、どうも彼はそれだけに留まっていないようでしたから・・・。頭の悪い私は、途中で考えるのを止めて、ただニアの動向だけを追うようになっていましたけど・・・。

それが少しだけ、今回分かったような気がしました。もともと私はニア個人が大好きだったのですが、やっぱり好きだな~、と改めて思いました。神の敵なのに何故か好きなんです。それを言えばLも大好きなんですけど。結局全員大好きです。

そしてそんなニアは、今回も変わらず素敵なセリフを沢山言ってくれたので、とっても満足です!!っていうか・・・私がキャラに感じる魅力って、一体何なんだ・・・?!

まぁ、それは置いておきまして・・・。新しいキラさんの登場により、新しいスタイルの番組がスタートしていましたね。(タイトルは変わりませんが・・・)神の時は図らずともその独裁体制で、反対派はテレビに出てこなかったように思いますが、今回は亡くなってるのがお年寄りなので、反対派もしっかり出てきていますね。

それにしても・・・出演者が「殺してくれ」と迫るシーンは、何とも言い難いです。このシーンで私も新しいキラさんは崇めたくない気持ちが強くなりました。犯罪者を殺したから神を崇めてるわけではないです。むしろ「神」と呼び、崇めてるのは人間離れした笑顔が理由なのですが・・・。

しかし、神の場合は考えが少なくとも分かったんです。正義とか悪とかは別にして。どっちかなんて、簡単に決められません。確かに罪人でも、死にたくないと思った人を殺した。でも、そのお陰で救われた命がきっとあると思うんです。

今回のキラさんは、罪の無い死にたい人を殺した。これだって、本当は善悪を簡単に決められる問題じゃないと思います。ただ、死にたがる人には希望を与えてあげて欲しかったんです。そのまま殺したんじゃ、何にもならない。その後の生活で助かったかもしれない人の命まで、奪ってしまったというのが切ないです。

そんなキラさんも、ニアの一言によって壮絶な最期を遂げてしまったわけですが・・・。今回のキラさん、御宅だったんですね。パソコンの前にあったフィギュアが気になって、気になって・・・。多分、いや・・・あれは絶対御宅だ。そうに違いない。(何の話だ)

っていうか、死神にも食の好みがあるのに笑えました。ミードラはバナナが好きなようですね。どれだけ大量に食べたんだ・・・。

でもって、ラスト・・・。リュークが月君の事を思い出すのが辛かったです。あのセリフが駄目です。「強い精神力と信念」。それがあったから、あそこまでできた。だけど、それがあった所為で、あんな最期になってしまった。最初に耐え切れずに捨てちゃってたら、2010年以降も幸せに暮らせていたかもしれないのに。

神ファンである以前に、月君ファンである私は、どうしてもそれが悲しくて仕方がありません。あの笑顔が無かったら、こんなに好きじゃなかったかもしれないけど、やっぱり幸せに生活して欲しかったから・・・。う~ん・・・本当に分からない。私の頭では難しすぎて、追いつきません。

でも、1つだけ言える事。それはデスノートを大学生になってから知って良かったという事です。以前の私には月君の言う正義が見えず、きっと月君を嫌ってしまっていたから。そんなことにならなくて、本当に良かったです。

あと!忘れちゃいけないジェバンニとマットの登場!!さりげなくいた彼らに乾杯!!可愛すぎです!!大好きです!!

・・・ここまで長々と書きましたが、こんな感じでしょうか・・・?また何かあったら付け足します。では!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年2月28日 (水)

もう1つの新しい世界

2月26日
キラ事件捜査本部内に掛けられていた
カレンダーの日付を見て
総一郎は呆然としていた

その様子に気が付いた竜崎は
総一郎に問いかけた

「どうしたんですか?夜神さん」

後ろから顔を突き出してきた竜崎に
驚きつつも、総一郎は竜崎の問いに答えた

「明後日は大事な日でな。しかし、今年は忙しくて
 何の準備もできていない・・・。どうしたものか・・・」

この日からして”明後日”とは
26日の2日後・・・

2月28日

即ちそれは月の誕生日を表す

以前、キラ容疑者を絞った時に
一通り目を通した資料に
月の誕生日も載っていた事から、
竜崎にも月の誕生日は知られていた

「・・・月君の誕生日ですね?」

「あぁ、そうなんだ」

そう答える総一郎の顔は困惑しながらも、
どこか愛おしそうな表情をしていた

「プレゼントを買いに行きたいのだが
 今日か明日、1時間程仕事を抜けても
 良いだろうか・・・?」

「はい、構いません。夜神さんはここの所、
 ずっと此処にいましたし・・・。1時間と言わずに
 もっと長い間でも結構ですよ」

火口が捕まってから、またすっかりキラの動向を
窺うことが難しくなっていまい、捜査は非常に
困難を極めていた

それに伴い、総一郎もほぼ家には
帰れない状態であった

それを察して、竜崎は1日とは言えないが
数時間の休息を総一郎に提供した

「本当に良いのか?」

「ええ、夕方までに帰って来てくだされば
 結構ですので」

「恩に着る。竜崎」

総一郎が月へのプレゼントを買いに行っている間
捜査本部での話題も月の誕生日のこととなった

「そうか~、月君も明日で19歳なんですね~」

松田は嬉しそうにカレンダーを眺めていた

「松田さんは何か用意してあるんですか?」

「いえ、それが全く・・・」

松田は少々言い難そうに答えた

「そうですか。実は私もなんです。一体何を
 すれば良いのか分からなくて・・・」

竜崎は定位置に座り、淹れたてのコーヒーに
手を伸ばしながら、言葉を発した

そう困った風にも見えないが、声のトーンは
何時もよりも低く、戸惑いが感じられた

「じゃあ、パーティーとかしてみたら
 良いんじゃないか?」

ふと割って入るように相沢が提案した

「・・・パーティーですか?」

不思議そうな表情を見せる竜崎とは反対に
松田は相沢の意見に激しく賛成した

「それ良いですよ!絶対っ!!
 パーティーやりましょうよ!!」

その松田の熱烈な視線に負け
竜崎もパーティーの意見に賛成する形となった

「そうですね。では当日はパーティーを
 開きましょう。具体的には
 何を準備すれば良いですか?」

「そうだな~・・・誕生日だし
 やっぱりケーキとかが良いんじゃないですか?」

松田は暫く色々な案を頭に巡らせている様子だったが
1番パーティーに必要そうなものを提案した

「良いですね。ではケーキの用意は
 ワタリに任せましょう」

竜崎はそう言うとすぐにモニター画面のうちの1つを
ワタリとの通信に切り替えた

「ワタリ、明後日の月君の誕生日にパーティーを
 やりたいのですが、ケーキの準備を頼めますか?」

”W”の文字が大きく映し出された画面から
ワタリの快い返事が返ってきた

『はい、分かりました。すぐに手配致します。
 その他にもパーティーに必要な物を用意
 しておきましょうか?』

機転が利くワタリは要求された以上の事を
軽々とこなしてしまう

それが竜崎のワタリに対する信頼に繋がるのだろう
と、松田や相沢は思った

「そうですね。よろしくお願いします」

通信を終えると、竜崎は画面を元に戻した

「これでパーティーの準備は安心です。
 当日、月君には捜査という名目で
 来てもらうことにしましょう」

「そうですね」

心なしか楽しそうに松田と相沢は答えた

ワタリのお陰で捜査本部は綺麗に飾り付けられ
何時もの殺伐とした雰囲気から一転
すっかりパーティー仕様になっていた

総一郎の協力もあり、月はその日
キラ事件の捜査協力として捜査本部に
訪れることになっていた

そして指定された時間ぴったりに
月は捜査本部へやって来た

数々のセキュリティーを通過して
本部のメインゲートを開けた月を
出迎えに行ったのは勿論、竜崎だ

「月君、お待ちしていました。」

「珍しいな、竜崎が迎えてくれるなんて」

大抵、迎えがあるとすれば松田か総一郎で
竜崎が人を出迎えることなど皆無に等しい

「さぁどうぞ、中へ」

紳士に開けられた扉の向こう側の景色を見て
月は一瞬思考停止状態に陥った

しかし”Happy Birthday”と書かれた紙が
壁に貼られているのを見て自分の状況を把握した

「もしかして、僕を祝ってくれるために・・・?」

「そうです。お気に召して頂けましたか?月君」

まるでそれは社交パーティーでエスコートを
するかの如くに差し出された竜崎の手に
月は自分の手を重ね、微笑んだ

「あぁ、勿論」

「喜んで頂けて、嬉しいです」

月の返事を聞き、竜崎は目を細めて笑った

その場にいた他の人々も、とても
楽しそうにしていた

このキラ捜査本部内で、こんなにも
笑顔の絶えなかった日はこれが初めてだった

「では月君、これを貴方に。私達の気持です」

そういって差し出されたのは、ある式典で
用いられる様な大きさをした誕生日ケーキだった

「りゅ、竜崎・・・。気持ちは嬉しいが、これ・・・
 食べきれるのか・・・?」

差し出されたケーキの
あまりの大きさに、月は唖然とした

「はい、大丈夫です。いざとなれば私が
 残りを全部食べますから」

目を輝かせて言い切る竜崎に
思わず月は笑ってしまった

「そうだな、僕は竜崎をナメていたようだ」

その後、ケーキを皆で食べながら
暫くの間、談笑が続いた

そして日が陰ってきた頃、竜崎は
月を違う部屋へ呼び出した

「月君、今日は楽しんでいただけましたか?」

「うん、とても。こんなに楽しい誕生日は
 久し振りだったよ」

月は全面ガラス張りになった窓の外を見つめた

「それなら良かったです」

竜崎も月と同じようにして窓の外を眺めた

「結局あのケーキ、殆ど竜崎が食べちゃったしな」

月は、ついさっきの出来事を思い出して
本当に可笑しそうに笑った

そんな月の様子を見て竜崎は1つの決心をした

「月君、聞いて下さい」

「何だ?竜崎、改まって・・・」

竜崎は月の目をしっかり見つめ
ゆっくりと話し出した

「月君、貴方はキラです。いや、正確にはキラだった。
 だけど、貴方はその事を覚えていない。
 私はそう考えています」

「ああ、」

月は下手に口を挟まず、竜崎の話に耳を傾けた

「キラは私の敵、絶対悪です。でも・・・・・」

「でも・・・?」

急に言葉に詰まった竜崎を気にする様に
月は竜崎の顔を覗き込んだ

「でも、私は月君の事が好きです。もし、この先
 月君がキラの記憶を手放したままで良いのなら
 これからもずっと一緒にいて頂けませんか?」

それは突然ずぎて月は少し戸惑った

「それはつまり、僕がキラに戻るのを
 反対してるって事?あんなにも
 捕まえたがってたのに・・・」

「はい、そうです」

竜崎の返事の後、暫く考えて月は次の言葉を出した

「今までの捜査を見て、竜崎の推理は正しいと思う。
 だから多分僕がキラだった。だけど、僕ももう
 キラには戻れない。第一、戻り方も分からないしね」

月の返事は嘘偽りの無いものだった

デスノートの記憶を失ってから竜崎と捜査を共に
やってきた月は、少々無理があるやり方とはいえ
竜崎の捜査方法に強い魅力を感じていた

「・・・じゃあ・・・」

「あぁ、でもちゃんと今までしてきた罪は
 償わせてくれないか・・・?」

いくら今の自分がキラであった自覚が無かったとしても
犯したであろう罪を償わずに生きていくことは月に
とって、とても恐ろしいことだった

「そうですね。これからは私と共に事件を数多く
 解決して下さい。そのことで沢山の命が
 救われる筈です。それが月君の償いです」

竜崎は月の鋭い推理力と洞察力を有効に
使う方が、牢獄に入れるよりもよっぽど
世の中のためになると提案した

「本当にそれだけで良いのか・・・?」

しかし、大量殺人を犯してきた犯罪者が
牢獄に入れられないという事実に月は不安を感じた

「はい、十分です。月君は法で裁かれない罪人に苛立ちを
 感じていたようですが、こういう方法もあるんですよ。
 月君の様に頭の良い人間は、こっちの方が良いんです」

自分がキラとなろうとした根源を言われ、記憶が無いながらも
月は一瞬ヒヤッとする思いだったが、すぐに笑顔になった

「分かった。竜崎がそう言ってくれるなら、
 これから沢山の事件を解決することで罪を償っていくよ。
 これからもよろしくね・・・?」

「はい、こちらこそ」

硬く結ばれた手は何時までも離されること無く
赤々と燃える夕陽に照らされていた

そしてこの日こそが世界の名探偵Lと
夜神月との約束の日

犯罪の少ない世界への幕開けの日となったのだった

| | コメント (0) | トラックバック (0)

今更、だけどそれに君は気付かせてくれた

僕はどれくらい此処にいただろう

もう随分と長い間だったような気もするし
まだ短い期間でしかないような気もする

時間感覚の失われた場所

いや、正確には
時間感覚さえも失われた場所

真っ白な世界

”無”の世界

ただ1人で僕はそこにいた

別に淋しいとは思っていなかった

また退屈な日々には戻ったけれど
自分のやってきた事を考えるには
十分すぎるほどの時間があったから
僕はずっとそれを考えていた

鮮明に残る記憶

最期の瞬間までもが鮮やかすぎるほど
色濃く頭に焼き付いていた

そう、僕は死んだ

リュークに名前を書かれて

だけどそれで良かったのかもしれない

大事なライバルまでもこの手にかけてまで
生き延びて神になろうだなんて
本当にどうかしていたんだ

「ゴメン・・・竜崎」

今更・・・
だけど、どうしても口に出して言いたかった

「分かれば良いんです」

誰もいないハズの世界に
僕以外の声が飛び込んできた

それはとても懐かしい響きを持った声

ずっと倒したいと渇望した僕のライバル

「・・・竜崎、」

名前を呼ぶと、その人物は
読み取り難い表情で、確かに笑った

「お久し振りですね、月君」

「どうして・・・」

本来なら竜崎はこの場にいるべき人間ではない

勝利のためなら手段を選ばない竜崎は
行ってきた行動の全てが正義ではない

けれど、解決した事件の数は知れず
世界の平和に非常に貢献していた

もしも本当に天国や地獄という場所が存在するなら
確実に竜崎は天国にいるべき人間だった

第一、此処はデスノートを使った人間が来る場所だ

それなのに、どうして竜崎が此処に-?

「さぁ、何故でしょうね?私は月君にずっと会いたい
 と思っていた。そして月君も私に謝りたいと思っていた。
 その気持が引き合って、私が此処に辿り着けた。
 と考えるのが、1番自然ですね」

僕の質問に大真面目な顔をして竜崎は答えた

「随分とロマンチックだな」

「しかし、それ以外考え付かない・・・」

「それもそうだな」

僕は「ははっ」と、声に出して笑った

「相変わらずの優等生スマイルですね。
 私を殺した時の笑顔とは大違いだ」

僕の様子を見て竜崎はすかさず突っ込んだ

「だから、ゴメンって・・・!!それに、
 今のは優等生スマイルとは少し違うんだけど」

「謝って済む問題でも無い気がしますが、
 まぁ月君なので許しましょう。因みに私は月君の
 細かい表情にまで興味はありません」

僕は心の中で(月君なので許しましょうって何だよ!
バカにしてるのか?)と悪態をついてみたものの、
結局竜崎との再開の喜びで
そんな事は、どうでもよくなっていた

「ところで、何で竜崎は僕に会いたかったんだ?」

そう、竜崎が僕の気に障る発言をするのは
生前からの慣れっこだ

それよりも気になるのが
あの竜崎が僕に会いたいと思ってくれた事

僕はこの時ほど自分の感情までも”無”に
ならなくて良かったと実感した事は無かった

「月君は知らなかったでしょうが・・・
 今日は2月28日なんです」

再び少し笑顔を見せながら、
竜崎は驚くようなセリフを口にした

「ですから、月君におめでとう、と
 言いたかったんです」

僕は竜崎がこの期に及んで
冗談でも言っているのではないかと疑ってしまった

だって、冗談でなければ
今のセリフは何だって言うんだ?

本心からのセリフだなんて、期待するだけ損だと
冷静な声が僕の頭を支配した

「そんなに疑わないで下さい。月君も死んでしまった今
 私が月君を騙すような真似は無意味に等しいです」

僕の頭より冷静な竜崎の声に
僕は正気に戻った

「確かに、そうだけど・・・」

「けど、何ですか?」

竜崎は僕の言葉の続きを催促した

「けど、何で僕の誕生日なんか・・・」

だって、僕は竜崎を殺した

世界の名探偵を

死神を利用してまでして

殺したんだ

「言ったハズですよ。月君、あなたは私の
 初めての友達だと。友達の誕生日は
 祝うものだと聞いたのですが」

それは、疑念の眼差しで僕を見つめていた
かつての竜崎の姿を微塵も感じさせないほど
とても優しい表情だった

「あれは本心だったんだね」

「ええ、本心でした。月君ほど話のレベルの合う
 人は今までいませんでしたから」

「そうか、嬉しいよ」

僕は素直に喜びを表した

だけど、本当は泣きそうなほど嬉しかった

「竜崎、本当にありがとう」

「いえ、こちらこそ」

僕は、そっと差し出された手を握った

そして心から、本当に心から笑った

「また何時か会えたら、敵同士ではなく
 今度こそ最初から友達になろう」

そんな”何時か”なんてありもしない事は
十分承知していた

だけど、もしもその”何時か”が叶うなら
その時こそは、と思ったんだ

「ええ、そうですね。ではそろそろ
 あちらに戻ります」

竜崎はそう言うとすぐに
僕の目の前から消えてしまった

そこあるのは何時もの静寂

ただの”無”だ

だけど、確かに違ったのは僕の気持ち

反省も後悔も多いけれど
確かに今感じた幸せ

僕は死んでからやっと、大事な人に
大事な事を気付かされた

-生まれてきて良かった-

ありがとう、竜崎

僕の大事な、たった1人の友達

| | コメント (0) | トラックバック (0)